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医療・介護・福祉現場の現場が見えますか?地方を理解できますか?

 今、告別式に行ってきました。脳腫瘍で大事な家族(職員)を亡くしてしまいました。
 42歳の若さでした。
 ご主人と離婚され、残された子供さん(4人)の今後を思うと胸が張り裂けそうなりました。
 ご冥福を祈ります。
 

 さて、話題は変わりますが、医療は氷河期。介護も冬から氷河期への突入を実感しております。
 この話をしますと、皆さん首を傾げられる。高齢者や要介護(支援)者は増える一方で、成長産業だと。
 果たしてそうでしょうか?需給のバランスが取れて成長する理屈ならば分かりますが、介護の現場も需要は日に日に高まりますが、供給能力は日に日に低下します。
 つまり、支え手・人材不足が深刻化し、この先、視界が開けないのです。
 既にブログ等で伝えて参りましたが、当法人も一生懸命人材確保・養成・子育て支援を行っております。
 上田市の市街地、本部のあるビルに介護福祉士養成施設(2年生)を運営し、1学年定員60名のところ今春の入学生21名(入学率35%)。東日本被災県(福島・岩手・宮城)の全高校生対象に、学費・生活費無料で募集、訪問しましたが申し込みなしです。
 365日24時間営業の「認定こども園」開設から5年目になりますが、未だに運営補助がない中で昨日現在、定員38名、一時登録694名で子育て支援をしています。
 幼児虐待・子育て放棄対応の乳児院もやっております。
 バリアフリーのレストラン等、他にも沢山ありますが、現場で出来ることは一生懸命取り組んでいます。
 当法人の役職員が約1,100名。7つのライスステージ(保育・食育飲食・教育・医療・介護・住まい替え支援・生きがい支援)の事業を行い、今年度は、年間延べ150万人のご利用者を見込んでいます。
 なぜ、氷河期なのか。事業者の努力では限界があります。支え手不足と低賃金の報酬改定は改善しなければなりません。
介護職員の処遇改善加算は、既に述べていますが職員全員が対象になっておらず、当法人でも4割は対象外です。対象になっている職員だけ支給するわけにはいきません。
 平等に支給するためには法人が負担したければなりません。当法人でも、年間7000万円余の支出増になります。
 政治・政策は、住民の立場で行ってほしいものです。地方の中山間地、限界集落・地域、医療・介護・スーパーもガソリンスタンドも金融機関も身近にない非効率な地域を目で見て、足で歩き、住民のニーズがどこにあるのか?どのようにすることが安心を生むのか?制度設計する方々は全国各地で住民の声に耳を傾け、寝食を共にし、政策議論をされたら「地域包括ケアシステム」、「特別養護老人ホームの個室化」等の誤った政策は絶対に打ち出されないはずです。
 私たち事業者は、住民・利用者・家族の視点で、あるべき姿を常に追い求め、やがて行く道、自らの老後、一生懸命日々取り組んでいるのです。
 年金生活の親を年金生活の子供が支える社会。不便を実感する集落での生活。
 民間の介護事業者が参入している自治体の住民はともかく、長野県の南の地域は、人口600名から1,000~2,000名の小さな村が多く存在し、隣の家や村に行くのに時間を要し、高齢化率50%前後の町村形成となっております。
 県北は、高齢化率32~45%の町村がほとんどで、半年にも及ぶ雪の中の生活、除雪もままならない。在宅での訪問介護20分の定期・巡回サービスは、家の入口の雪かきだけで20分以上要する状況です。
 移動が大変な場所であり時間が要することは、共通項なのです。
 このことは、全国各地でも同様に確認されています。
 生活の場そのものが失われていく地域・集落。高齢者にとって安心は何か。共同生活の場が必要であり、要介護状態になっても安心が得られる場所。寂しくない場所。それが、低利用料金で入所可能とする特別養護老人ホームの多床室なのです。
 地方は個室で、13万円以上毎月払える人が極端に少ないのです。
 以前にもブログに書きましたが、ニーズの少ない特別養護老人ホームの個室政策なんてやっていてはダメなんです。
 特別養護老人ホームの運用は、入所者の70%以上は介護度の重い4・5の要介護者が義務付けられています。
 いい加減、分かってほしいものです。
 村に若者が見当たらない現実。消防団員の形成も高齢者が担って何とか活動している地域も多いのです。
 これからは、一人の介護者が多くの要介護者をみるシステムの構築が全てです。
 以上述べましたように、5年10年後に多くの事業者が、今の職員体制は維持できないとみております。
 支える人材がいないのです。インドネシアとの経済連携協定(EPA)で2名の看護師(介護福祉士候補生)を受入れました。
 外国人の介護福祉士合格率34%の中で、見事2名は合格しましたが、本日、一人はインドネシアに帰国しました。
 担当職員2名が、成田空港まで見送りに行きました。
 インドネシアから来日した候補生の半数は既に帰国したと聞きます。
 厚生労働省は、人材確保を海外に求めない「鎖国政策」を継続する方針を変えておりません。
 移民政策等海外からの労働者確保なしで、今のままの政策が継続されたら、「介護難民」が多く出現し、結果として、介護は国内と東南アジアに分担せざる得なくなるものと思います。
 当法人にも、介護事業で中国・台湾・韓国からもオファーがあります。
 「大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ」という本が、話題になっていますが、「自然死=餓死」も不思議でなくなるでしょうか?
 人材確保が困難になること、長期的な視点でみても財政難から報酬のアップを期待することは難しく、人件費・法定福利等の固定費が、毎年右肩上がりとなり、「事業を継続するためには縮小の選択」がキーワードとなりそうです。
 マネージメント力が一層求められることでしょう。
 終わりに、11年度の行政刷新会議で、特別養護老人ホーム等の施設系サービスを提供する事業者の内部留保が多額ではないかとの指摘があり厚生労働省が調査するようですが、心外です。
 社会福祉法人は、介護保険制度がスタートする前、建て替えるための資金の積立、減価償却を認められていませんでした。スタート後は減価償却を認め交付金に頼ることなく自前で建て替えに充てるようにと変更になりました。
 内部留保も事業を継続するためには必要なのです。
 皆さんは、どう思われますか?
 社会福祉法人の自立を促す道を閉ざしてはいけません。
 今後は、職員のメンタルヘルスケアについても、組織をあげて取り組まなければならない時代になりました。
 このほか、必要経費も多く課題が山積しておます。
 「困った時の敬老園」10年20年後も言って頂けるように頑張るのみです。



投稿者 keiroen : 2012年06月05日 19:30

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