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特別養護老人ホーム個室推進に物申す

 利用者・家族が望まない特別養護老人ホーム(以下:特養)の個室推進は早急に改めるべし。
 政策決定に関わられる方々は、介護の現場に足を運び実態を知ったうえで結論を出して頂きたい。
 制度が変更になる都度、どんなにか介護の現場は政策に振り回され、悩んでいるか、責任を持って取り組んでいる現場でしか分からないこと。
同じ建物内にありながら「個室ユニットケア型特養」と「2~4人室の多床室の特養」で申請・施設名を別に届けなければならないこと。介護職員など兼務を認めないこと。結果として、業務を煩雑にし、人材不足を無視した現実があるだけなのです。
 このままの政策に変更がなければ、人材確保が今後一層深刻化し、介護難民が国内至るところに出現し、放置される状況が見えてきます。
 1人の介護職員が、多くの要介護者を介護するシステムを構築する以外に解決方法はありません。
 団塊の世代が後期高齢者になる2025年に要介護者は、「東南アジアなど海外で介護サービスを利用するしかないか」と、真剣な議論が多く交わされるようになり、事は深刻です。
 今週も、韓国・中国から医療・介護関わりの方が来園され、老いるアジアをどうしたら良いか?意見や協力を求めてきておりますが、国の事情が異なりはするものの今後についての取り組む姿勢は、今の日本以上と感じました。
 今年4月に創設された「地域包括ケアシステム」。住み慣れた地域・在宅での生活を訪問サービスで24時間サポートする制度。期待する共助について、元気な高齢者の方々に相談するも消極的で、個人宅のプライバシーや金銭リスク等の現実的な話からも協力が得にくいことが分かりました。
 支えあう社会は願うこと、しかし、無縁社会が急速に進展していることも事実で、地縁・互助の精神により支えられてきた地域・自治会の崩壊も進んでいることもこの先の不安材料です。
 当法人の本部があります上田市(人口16万人、高齢化率26%)の市街地は、高齢化率30%を超えており中心街に位置する自治会では、3月1日現在、高齢化率52%となっており、その周辺の自治会でも45%前後となっており、独居・老々世帯が急速に目立ってきております。
 今年4月に創設された「地域包括ケアシステム」。住み慣れた地域・在宅での生活を訪問サービスで24時間サポートするものですが、当法人でも取り組んでいますが、地域により環境が大きく異なり、地域住民の協力もさほど期待できないので推進は難しいと思われます。

 さて、特養ですが、財源が不足といわれますが、建設費用のかかる個室、費用が少なくてすむ多床室。家賃に相当する居住費も個室が1ヶ月約6万円、多床室は現行無料。
 当法人が運営する5ヶ所の特別養護老人ホーム。現入所者340人のうち、本日現在、平均年齢85歳(男性81歳、女性87歳)、男性27%、女性73%、平均介護度は、4.3と重度です。女性が多いことは、介護サービス全般にいえますが、男性に比べて年金の額が低額の方が多いことも費用負担の少ない多床室のニーズの高い要因のひとつでもあります。
 個室推進は、プライバシーの尊重という目的とは裏腹に、入所される方の多くは認知症が進んでいること、特養は、介護度4・5の重度者70%以上の運用を義務付けられていることも矛盾を生じております。
 「終の住みか」としての役割も果たしている特養。家族や近所・友人など多くの人とお別れをし、寂しさ・孤独に耐え、人生最後の生活の場として淡々と受け止めて行かれます。
 ご本人の意思とは関係なく、家族が申し込まれる現実。社会保障に不安を抱え、長寿社会の中で、入所者を支える年金生活のお子さんが増え、社会保障の不安の増幅と、核家族化はより在宅復帰が困難な状況を現実なものとしています。
 入所される方は、孤独や寂しさの個室よりも人息のする多床室、家族や親戚・知人がほとんど訪ねてこない入所者も多く、同室の方の面会者との会話や入所者間・職員・ボランテイアとの交流・行事を何よりも楽しみにされておられる入所者は多いのが現実です。
入所者の尊厳を大切にし、家庭的な雰囲気で、10人単位の個室ユニットケアを日々実践しておりますが、法で定められた職員数では質の低下・介護事故が発生するために個室ユニットケア型の特養は、どこもマンツーマンに近い職員配置で運営しています。
人材確保・質の向上に苦労している状況下で、5~10年先を語れない、現状の事業の維持が可能か否かの悩みが介護事業者の共通項となっています。
 この春開設した特養、個室の希望者が2%。50の個室を埋める苦労に比べ、多床室は、満床でスタートし、3月31日現在では、多床室希望の待機者が815人を超えています。
法人特養全体の待機者は、名寄せして1,200人を超えております。

1年間に平均100人が退去してもとてもご希望に添えません。
 介護でお困りの方をお一人でも多く支えてあげたい。住まえ替え施設を含め当法人で1,300人の方が生活されています。
 定員100人の養護老人ホームも運営していますが、低年金・無年金者の方が生活する場がなく、法人負担で生活されておられる方もおります。
 養護老人ホームは、今後、計画されないと聞きます。
 低利用料金で生活する場の提供は、個室の特養では無理です。特養解体論?困っている方々を支援した後に口にして頂きたい。
 私たちは、地域で、介護の現場で必死になって日々一生懸命取り組んでいるのです。
 個室推進は、改めるべきと心の底から申し上げます。



投稿者 keiroen : 2012年04月27日 07:41

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