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私のブログ再開致します。

今年の春は1週間ほど遅く、上田城を中心としたソメイヨシノ桜は今満開です。
 2年近くブログをお休み致しました。この間、沢山の方から私のブログの内容について、ご意見、激励を頂きました。
 辛口の内容が多くなる訳ですが、今、介護・医療・福祉の現場は本当に困っています。地域住民・利用者・家族・職員の目線に立ち、改善提案を当法人が取り組んでいる実例中心に述べて参ります。
 現在の当法人の概要ですが、法人開設から39年。今年1月から3月末までに、上田市・松本市・安曇野市・中野市・佐久市の県内7ヵ所で移転・新規開設を含め、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・認知症グループホーム・ショートステイ・デイサービス等々の施設整備を行い開設致しました。
 220を超える事業で、入所(居)者が約1,300人、1日平均4,100人、年間約150万人余の方が当法人のサービスをご利用になられます。
 職員も1,000名を超えて参り、苦労を重ねる日々であり、1日として気が休まる日はなく、事業を遂行する上で当たり前と受け止めています。
 介護に休みはありません。認定こども園も365日24時間営業です。ゴールデンウィークやお盆・正月の連休は別世界のことであり、日々、一生懸命仕事に専念しているスタッフに申し訳ない気持ちです。
 私生活ですが、朝4時に起き1日のスタート…に今も変更はありません。
 さて、当法人が取り組んでいる事業等で納得のいかない、改善を求めている点について述べます。
 地元の国会議員、県知事にもお願いをしましたが、悲しいかな進展がありません。
 今回は、介護人材不足に解消に欠かせない外国人の受入れについて述べます。
 人材確保を目的としない経済連携協定(EPA)で、真面目に受入れる施設を騙さない制度に変更して頂きたい。
 当法人は、インドネシアとの経済連携協定(第1陣)で、インドネシア人の看護師2名を介護福祉士候補生として、特別養護老人ホーム「うえだ敬老園」で平成21年2月1日から受入れました。
 インドネシアの母国語しか話せない彼ら、着の身着のままで来日、生活するうえで必要なものはすべて法人で用意し、マンツーマンに近い教育スタッフの配置をしました。
 彼らも努力しました。ひらがな、漢字、専門用語を覚え、日本人でも合格率5割の介護福祉士国家試験を今年1月に受験、結果2人とも合格です。外国人の合格率37%の難関でした。
 当法人にとっても、関わった施設・スタッフも大喜びで祝福致しました。当法人に残って、介護の仕事に就いてくれることを皆期待しました。
 1人は残ってくれそうですが、もう一人はインドネシアに帰国することになりました。
 「4年間の日本での労働契約が終わったから…帰国する。日本へ来た多くの人は合格・不合格関係なく帰国する」と、今になっての言葉。
 また、「日本に来てから、介護福祉士の試験があると聞かされた」と。
 ここで、制度の未熟さと人材不足を何とかしなければ・・・という危機意識が国にないことが分かります。
 日本ではお礼奉公という考え方がありますが、帰国もどこで働いても自由な制度だと分かりました。
 厚生労働省が、人材確保を目的としないと、文書で伝えられたのは、彼らを受け入れた後のことです。
 今でも足りない介護の人材、2025年団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる頃、現状より100万人近い介護の人材不足は明らかであり、まず、移民政策は欠かせないと強く申し上げたい。
 ただ、彼らを受入れるにあたり、宗教の違いを国民が理解しないと難しい面もあります。
 イスラム教は、毎年7~8月にかけて「ラマダンの儀式」があり、日の出から日没まで水・食べ物を口にしません。
 汗のかく仕事は、脱水症状が心配され、職場の理解と業務の組み合わせが難しい面もあります。
 インドネシア人を受け入れて分かったことですが、何よりも人懐こい性格優しい心があります。
 国内にいるフリーター・ニート240万人に介護を期待することは無理であり、ハードな仕事に耐えて、何よりも「真心」がなければなりません。
 当法人も含め、受入れ施設を経験した施設は、現行のEPA制度では今後受入れないでしょう。
 当法人が受入れに要した延4,500万円超の法人出費は、余りに高い学習代となりました。
 
 次回は、ニーズとの乖離した特別養護老人ホームの個室推進について述べる予定です。 


投稿者 keiroen : 2012年04月25日 18:59 | コメント (0) | トラックバック (0)

特別養護老人ホーム個室推進に物申す

 利用者・家族が望まない特別養護老人ホーム(以下:特養)の個室推進は早急に改めるべし。
 政策決定に関わられる方々は、介護の現場に足を運び実態を知ったうえで結論を出して頂きたい。
 制度が変更になる都度、どんなにか介護の現場は政策に振り回され、悩んでいるか、責任を持って取り組んでいる現場でしか分からないこと。
同じ建物内にありながら「個室ユニットケア型特養」と「2~4人室の多床室の特養」で申請・施設名を別に届けなければならないこと。介護職員など兼務を認めないこと。結果として、業務を煩雑にし、人材不足を無視した現実があるだけなのです。
 このままの政策に変更がなければ、人材確保が今後一層深刻化し、介護難民が国内至るところに出現し、放置される状況が見えてきます。
 1人の介護職員が、多くの要介護者を介護するシステムを構築する以外に解決方法はありません。
 団塊の世代が後期高齢者になる2025年に要介護者は、「東南アジアなど海外で介護サービスを利用するしかないか」と、真剣な議論が多く交わされるようになり、事は深刻です。
 今週も、韓国・中国から医療・介護関わりの方が来園され、老いるアジアをどうしたら良いか?意見や協力を求めてきておりますが、国の事情が異なりはするものの今後についての取り組む姿勢は、今の日本以上と感じました。
 今年4月に創設された「地域包括ケアシステム」。住み慣れた地域・在宅での生活を訪問サービスで24時間サポートする制度。期待する共助について、元気な高齢者の方々に相談するも消極的で、個人宅のプライバシーや金銭リスク等の現実的な話からも協力が得にくいことが分かりました。
 支えあう社会は願うこと、しかし、無縁社会が急速に進展していることも事実で、地縁・互助の精神により支えられてきた地域・自治会の崩壊も進んでいることもこの先の不安材料です。
 当法人の本部があります上田市(人口16万人、高齢化率26%)の市街地は、高齢化率30%を超えており中心街に位置する自治会では、3月1日現在、高齢化率52%となっており、その周辺の自治会でも45%前後となっており、独居・老々世帯が急速に目立ってきております。
 今年4月に創設された「地域包括ケアシステム」。住み慣れた地域・在宅での生活を訪問サービスで24時間サポートするものですが、当法人でも取り組んでいますが、地域により環境が大きく異なり、地域住民の協力もさほど期待できないので推進は難しいと思われます。

 さて、特養ですが、財源が不足といわれますが、建設費用のかかる個室、費用が少なくてすむ多床室。家賃に相当する居住費も個室が1ヶ月約6万円、多床室は現行無料。
 当法人が運営する5ヶ所の特別養護老人ホーム。現入所者340人のうち、本日現在、平均年齢85歳(男性81歳、女性87歳)、男性27%、女性73%、平均介護度は、4.3と重度です。女性が多いことは、介護サービス全般にいえますが、男性に比べて年金の額が低額の方が多いことも費用負担の少ない多床室のニーズの高い要因のひとつでもあります。
 個室推進は、プライバシーの尊重という目的とは裏腹に、入所される方の多くは認知症が進んでいること、特養は、介護度4・5の重度者70%以上の運用を義務付けられていることも矛盾を生じております。
 「終の住みか」としての役割も果たしている特養。家族や近所・友人など多くの人とお別れをし、寂しさ・孤独に耐え、人生最後の生活の場として淡々と受け止めて行かれます。
 ご本人の意思とは関係なく、家族が申し込まれる現実。社会保障に不安を抱え、長寿社会の中で、入所者を支える年金生活のお子さんが増え、社会保障の不安の増幅と、核家族化はより在宅復帰が困難な状況を現実なものとしています。
 入所される方は、孤独や寂しさの個室よりも人息のする多床室、家族や親戚・知人がほとんど訪ねてこない入所者も多く、同室の方の面会者との会話や入所者間・職員・ボランテイアとの交流・行事を何よりも楽しみにされておられる入所者は多いのが現実です。
入所者の尊厳を大切にし、家庭的な雰囲気で、10人単位の個室ユニットケアを日々実践しておりますが、法で定められた職員数では質の低下・介護事故が発生するために個室ユニットケア型の特養は、どこもマンツーマンに近い職員配置で運営しています。
人材確保・質の向上に苦労している状況下で、5~10年先を語れない、現状の事業の維持が可能か否かの悩みが介護事業者の共通項となっています。
 この春開設した特養、個室の希望者が2%。50の個室を埋める苦労に比べ、多床室は、満床でスタートし、3月31日現在では、多床室希望の待機者が815人を超えています。
法人特養全体の待機者は、名寄せして1,200人を超えております。

1年間に平均100人が退去してもとてもご希望に添えません。
 介護でお困りの方をお一人でも多く支えてあげたい。住まえ替え施設を含め当法人で1,300人の方が生活されています。
 定員100人の養護老人ホームも運営していますが、低年金・無年金者の方が生活する場がなく、法人負担で生活されておられる方もおります。
 養護老人ホームは、今後、計画されないと聞きます。
 低利用料金で生活する場の提供は、個室の特養では無理です。特養解体論?困っている方々を支援した後に口にして頂きたい。
 私たちは、地域で、介護の現場で必死になって日々一生懸命取り組んでいるのです。
 個室推進は、改めるべきと心の底から申し上げます。


投稿者 keiroen : 2012年04月27日 07:41 | コメント (0) | トラックバック (0)

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