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「人口減少がもたらす限界集落の全国的拡大は深刻」を直視した政策を

 民主党の圧勝で幕を閉じた衆議院選挙、負けた自民・公明、単純に結果だけでは語れない。これからが正に問われることになる。
 新政権に期待したいのは、川の水が川上から川下に流れる当たり前のことが、川下から川上に流れると錯覚した政治をしないで欲しいということ。
 日本の介護保険の基盤整備の間違いを修正して欲しい。 具体的には、少子高齢化は50年先までも続くと推計されていること。
 人口が現在より3割減少し、働き手も5割近く減少。高齢者は反対に800万人増(3割増)と、現在は、働き手3人で1人の高齢者を支えている状況が、1人が1人を支えなければならなくなる。 年を経るごとに介護職員の不足が鮮明になるということ。
 政府・厚生労働省の研究会などでの報告書、検討されている内容が、第5期介護保険事業計画(平成24年~26年度)に反映される。 しかし、検討する内容は理想論が多く、現場、いや、ニーズと大きく乖離している。
 厚生労働省の「地域包括ケア研究会」の報告書。2025年、中学校区を対象に、30分以内での在宅サービスの組み合わせ提言。中学校区内、施設よりも在宅重視。所要30分の距離内での在宅サービスの提供を想定は一握り地域に限られる。
 人口減少がもたらす限界集落の全国的拡大は深刻で、地域再生が困難な状況で弱体化する生活共同組織の広がり。
 限界集落の名付け親の長野大学大野晃教授の調査をもとにした著書「限界集落と地域再生」の中に、新潟県上越市のある区長が集落の社会的共同生活は「10年過ぎたら難しい」。「集落の体力低下による生産組織の維持が困難になれば町内会の役職者の確保も難しくなる」。
 日本の多くの集落が消失若しくは機能不全になる方向での点在、広域化。都会ならいざ知らず、上田市も端から端まで2時間を要す。消失した集落も増えてきている。
 介護保険は社会保険、全国どこでも医療保険と同じに使用できる。にも拘わらず地域限定版の地域密着型サービスを創設した。住所地の住民だけしか利用できない制度になっている。
「実家の母(住所地が市外)をしばらく引き取って、自宅近くの介護サービスを利用したくても断られる」。
認知症のグループホーム・小規模多機能居宅介護など。
 保険者(住所地の市町村など)への支払は日本国内どこのサービスを利用したって問題ない。地域を限定することそのものが問題ではないか。
 上田市の有効求人倍率は、平均を下回って0.28と聞く。そんな不景気な状況でも介護の従事者の不足に日々苦労している。
 当法人は、介護福祉士を養成する専門校を持ってしてもスタッフ確保が厳しい介護現場。今後、年を重ねるごとに働き手がいなくなるにも拘わらず妄想のように個室・ユニット化推進などと現場を知らない人たちが、責任のない結論を押し付ける。
 それが、あたかも正論のように・・・。
 個室は、自立~要介護軽度者を中心に有料老人ホーム、高齢者賃貸住宅で整備することには賛成する。
 現に当法人でも13ヶ所で運営している。しかし、特別養護老人ホームは違う。今、重度者(要介護4.5)しか入れない。当法人の運営する県内3ヶ所(定員240名)、待機者は名寄せして1200名を超える。
入所者、家族の意識調査でも低利用料金、寂しくない従来型の多床室を指示する声は圧倒的に多い。
全室個室・ユニットケアは、建設コストが高く、利用者の負担が大きいことに加え、将来的にも介護スタッフ確保が困難になることが容易に想定されるので、現状の70%個室化は、ニーズに合致せず、スタッフ不足で経営破たんの道をたどる事になるであろう。
 少ない介護スタッフが多くの要介護者を支えるシステムを構築してこそ、明日の日本を現実的な視点で語れるのではないか?
 地に着いた、現場の生の声を政治に反映して欲しい。新政権に期待する。


投稿者 keiroen : 2009年09月03日 17:29 | コメント (0) | トラックバック (0)

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