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日本のインフラ整備と地域包括ケアシステムは「集中・効率化」がテーマ

 1960年代の日本の高度成長時代に整備された日本のインフラストラクチャー(ダム・道路・港湾・発電所・通信施設等の産業基盤、および学校・病院・施設・公園等の社会福祉・環境施設:以後「インフラ」) は、50年の耐用年数の期限切れを迎え、老朽化が問題となっている。維持・更新する財政的な余力もないことから大きな課題を抱えているという。
 私は、インフラのことは詳しくないが約480兆円インフラ整備を日本国中を対象とすることは、人口減・経済力の面からも無理なので、今後は「コンパクトシティ」に集中投資すべきだと個人的には思っている。
 集中といえば、今年4月から3ヶ年の間に全市町村で取り組みを始める「地域包括ケアシステム」(住み慣れた家、地域で生活し続け、365日施設並みの介護サービスが利用できるとする体系)は、都市部政策で挫折すると思う。
 地域包括ケアシステムの理念は、誰しも望むところだが現実的ではない。現在も日本各地で人口減少、限界集落・消滅集落化、深刻な介護力の低下(介護人材不足)・平均年齢の高齢化等から「地域力(疲弊・孤立化等の支える力)の低下」が見られる。
 長野県を例にとると全国一の集落数、人口の6割以上が中山間地に生活し、北部地区は、冬毎日のように雪が降り積雪も2~7 m以上に達し、訪問・通所のサービス利用・提供は大変。出入り口の雪はきに時間を要し短時間訪問は、冬期間は現実的に無理。
 南部地区は、人口が少なく面積は広い、山間・谷あいに散在する家々への移動は時間を要す。介護の人材確保もままならない中での訪問・通所は大変と聞く。非効率を良しとしないと介護事業は成り立たない。民間事業者の参入は期待できない。
 特に深刻なのが人材確保、現在でも不足している状況から引き抜き合戦による質の低下を危惧している。最近、あからさまに当法人の職員を対象に各事業所へ電話をかけての勧誘、水面下での引き抜きが横行するようになってきている。
 介護の事業に参加する心得として、自ら人材確保・育成のできる事業者が参加すべきと言いたい。介護の事業申請の段階で、許認可権を持つ自治体が予定している事業の職員名簿・給与明細・社会保険等確認するくらいの厳しい規制も今後必要ではないだろうか。
 少ない職員体制でのサービス提供は、地域の実情に沿って集合住宅等生活の中での介護が現実的で、1人の介護スタッフが多くの要介護・支援者にサービス提供するしか解決策は残されていないのではないか。
 現在行われている介護政策は、利用者・家族・介護現場の声が届いていません。望んでいない政策を押し付け、報酬で介護事業者にペナルティを課す内容となっている現実がある。
 このままの政策が続けば、日本は不幸な方向へ進み、何年後かに間違いに気づき修正せざるを得なくなることは明らか。その理由①特別養護老人ホーム(介護保険を利用して入所施設:以後「特養ホーム」)の個室化政策の誤りです。当法人でも個室のユニットケア(9~10人単位での介護)の特養ホームも運営しておりますが、希望者は併設の多床室に比べ1割程度です。現在、要介護度1~5、つまり軽度者も入所できる制度で、個室希望の軽度者は、個室希望も2割ほど存在するが、国の方針で、重度者(要介護度4、5) 7割以上の入所構成が指導対象であり、4月から軽度者(要介護1~2) は、入所対象外となり中重度者(要介護度3~5) に限定される。
 約9割の方が認知症で、寝たきりの方が多く、自ら移動することが困難な状態で個室での生活の必要性はほとんどないと言っても過言ではない。親を年金生活の子供がみる時代に入所毎月6万円の室料を含め13万円余の負担にいつまで耐えられるか。理由②個室ユニットケアの場合、入所者3人に1人の看護・介護職員の配置基準(介護報酬は配置基準のみ支給される)も実際は入所者2人に看護・介護職員が1人と看護・介護スタッフを多く配置が特養ホームの実態。
 配置基準のみの介護報酬では、看護・介護職員の給与を増やしてあげたくても財源がない。入所者の2割が胃瘻・経管栄養で、今後更に増える傾向を踏まえると職員の実配置に見合った介護報酬は不可欠だ。介護はチーム。介護職以外の職員(当法人は4割相当)給与分も公平性の観点から交付加算でみるべきだ。
 理由③個室政策に逆らったとして介護報酬を従来型の特養ホームよりも低く設定すること事体問題。理由④個室政策は、建設コストがかかり過ぎ補助金・法人・利用者負担増となり矛盾が生じている。理由⑤介護人材が益々不足する中で効率性をも加味し、1人の看護・介護職が多くの利用者にサービスを提供していく多床室政策以外この先の日本の介護サービスは成り立たないと確信している。
 効率性・効果的なサービス提供を介護給付費分科会で述べているにも拘わらず、4月の介護報酬改定では、高齢者建物併設の訪問介護事業所からのサービス提供は10%減算としており、効率・効果的に逆行する政策に言葉が出ない。
 効率・効果的は、今後すべてにおいてテーマとなる。益々、財源が不足する状況下、地域の特性を考慮して集中して介護する、コンパクトシティ(少規模単位の街)を造ることが特に重要となると思っている。
 少子・高齢化、人口減、限界集落・消滅集落、要介護者・認知症者が増える状況を冷静に見れば、「集中」・「一人の役割が増える=介護」構図は、はっきりと視界に入ってきている。
 政策の誤りを早期に改めないと、介護難民日本は確実に訪れる。